とあるはぐれものの戯言

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子どもと死について考えるための絵本

先日、がんで闘病中だった小林麻央さんが亡くなったニュースは、多くの人にとってひとかたならぬ衝撃を与えるものでした。普段は芸能人のニュースには全く関心のない私ですが、母が一昨年がんになり、昨年の9月に亡くなってしまったので、同じ病気に自分とほとんど同じ年で子どもも同じ年頃の彼女のことは気にかけずにはいられませんでした。どうか助かって欲しいと願っていましたが…残念で、言葉がありません。

 

昨年9月に母が亡くなった時、上の子は4歳、下の子は2歳目前でした。下の子には祖母の記憶は残らないだろうし死について理解するにも幼すぎると思いましたが、上の子には死ぬってどういうことなのかを考えてみて欲しいと思い、母が亡くなったあと死について考えるための絵本を探しました。

 

 死について考えるための絵本5選

ママがおばけになっちゃった! (講談社の創作絵本)

ママがおばけになっちゃった! (講談社の創作絵本)

 

その手の内容の絵本で最近一番有名なのがこの本ではないでしょうか。絵本コーナーでよく平積みになっています。涙なしでは読めないので、立ち読みは危険です。

幼い子が肉親を亡くしてしまったら…まずはこの絵本、かもしれません。

 

 

おじいちゃんがおばけになったわけ

おじいちゃんがおばけになったわけ

 

 この絵本は4歳の娘には少し長いように思いましたが、なぜか不思議な魅力があるようで、借りてきてから何度も読んで読んでと持ってきました。

おじいちゃんとの思い出を一緒に思い出していくくだりなど、読み聞かせをしながら声が震えてしまって涙を抑えるのに必死でした。子どもに読む前に、最初何度か一人で読んでおくことをおすすめします。

親子ともにこの本はとても気に入ったので購入しましたが、今は2歳になった下の子も時々これを持ってきて読んでと言ってきます。不思議ですね。

 

 

おばあちゃんがいなくなっても…

おばあちゃんがいなくなっても…

 

おばあちゃんが病気になってだんだん弱っていってしまうという内容で、病気で亡くなるということについて考えるのに良い絵本だと思いました。「おじいちゃんがおばけになったわけ」よりも内容が難しく長いので、年長か小学校にあがったくらいにまた読んで聞かせたいと思っています。

 

 

はなたれちび

はなたれちび

 

ペットの死についてのお話ならこの絵本がおすすめです。 私も昔飼っていた犬が突然死んでしまった経験があり、この絵本の内容と重なって、何度読んでも泣けてしまいます。この本は長女が3歳の頃にいただいたのですが、もらってすぐの頃からなぜか気に入って繰り返し読んでいました。

 

 

寿命図鑑 生き物から宇宙まで万物の寿命をあつめた図鑑

寿命図鑑 生き物から宇宙まで万物の寿命をあつめた図鑑

 

 こちらは少し毛色が異なりますが、色々な生物やモノの寿命、「飛行機雲の寿命」みたいなちょっと変わったものまでとにかくあらゆるものの寿命をあつめています。大人が見ても知らないことだらけで、値段は少々高いですが長く楽しめる一冊です。身近な家族の死とはまた違った角度で死というものについて考えてみたらいいんじゃないかと思い、購入しました。

 

死について考えるということ

死は誰にでも訪れるもので、自分自身も、親しい誰かも、今日明日に突然死んでしまう可能性だってゼロではありません。私はまだ十代の頃、大切な家族だった飼い犬を突然亡くしたり、何人かの親族が相次いで亡くなったりして、急に訪れる死が恐ろしくなり一歩も動けないような心持ちになってしまったことがあります。でも、死について真剣に考えたことがないと、実際にもし自分や近しい人が病気などで死に直面したときに、きちんと死に向き合うことができないかもしれません。

私の母は亡くなった時57歳でしたが、自分の死の可能性について考えることを恐れるばかりでなかなか向き合うことができませんでした。自分の死の可能性については真剣に考えようとすればするほど恐ろしくなるということはよくわかります。何ら健康に問題がなく寿命にも程遠い十代の頃でも大きな恐れを感じたのですから、実際に死に至る病気になったときにそれを考えることがどれほど恐ろしいかは想像に難くありません。でも、自分が死ぬということを受け入れ、死への恐れがいつも隣に在ることで今日をより大切にできると思うのです。

「死」は急に正面から向かい合おうとすると、大きな壁のように立ちはだかってきます。死を身近に感じることが少ない現代の世の中ですから、子どもたちには少しずつ死に触れて、いつかそのことを自然に受け入れてもらえたらいいなと思います。

 

最後になりましたが、小林麻央さんのご冥福を祈って。