とあるはぐれものの戯言

子育てと仕事、どっちも楽しみたい

元ゲームプランナーとして二人の子の親としてポケモンGoをやってみて思ったこと

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こんにちは、実は元ゲームプランナーだったTomokoです。

 

子育てで忙しくて最近とんとゲームをやっていなかったのですが、先日リリースされたポケモンGoはさすがにやっておくかと思ってやってみました。

 

ポケモンGoってどんなゲーム?

ポケモンGoをやっていない人のために簡単にゲーム内容を説明します。

ポケモンGoは町を歩いてポケモンを探すゲームです。

ゲーム中にやることはおおまかに以下の4つです。

  1. ポケストップ(公園やオブジェ)に行ってボールなどのアイテムを手に入れる
  2. その辺を歩いてポケモンを探して、見つけたらボールをぶつけて捕まえる
  3. 捕まえたポケモンを育てる
  4. ジム(地域拠点)に行ってそこを守っているポケモンと闘う

かなりざっくりした説明で細かい部分省いてますが、大体やってることはこんな感じです。

ゲームには大抵小目的、中目的、大目的が設定されているのですが、上の遊びの順で行くと1が小目的2、3が中目的、4が大目的になります。

やってみて気づいたポケモンGoの5つの問題点

1.ポケストップの数に地域差がありすぎる

これについてはサービス開始当初から言われていたことですが、ポケストップの配置に地域差がありすぎて、山のようにあるところと田舎とかだとほんとにほとんどなかったりして住んでいる場所による有利不利がゲーム的に大きすぎます


2.近場でゲットできるポケモンはいつもだいたい同じ

移動することで様々なポケモンを得られるゲームなのである程度仕方ない部分ではあるのですが、普段の自分の行動範囲だけで遊んでいると決まった種類のポケモンしか出ません。

そこで色々な所歩いて行動範囲広げようと思えば健康的にもなりますが、そこまでしようと思わなければそれで終了。

行動範囲内で手に入れられるポケモンがいつも同じなのですぐに飽きてしまいます。

そもそも徒歩圏内にいないポケモンも多数います。

全種類コンプリートしようと思ったら電車や車で出かけなければなりません。

 

3.ポケモンを捕まえるために歩いてる途中立ち止まるか歩きスマホするしかない

最近はスーパーとかに行っても歩きスマホを注意するアナウンスがしばしば流れていますが、ポケモンを捕まえるためにはその瞬間はゲーム画面を見てゲームに集中しなければなりません。

誰でもわかることですが、歩いている人の集中力が散漫になると本人も周りの人も危険です。

4.ジム(拠点)を守っているポケモンと闘うにはそこに立ち止まってゲームしないといけない

どんなゲームかのところであえて細かい説明を省いたのですが、ポケモンはプレイヤーが赤・黄色・青のチームに分かれて陣地を取り合うチームバトル的な要素があります。

ジムに自分と違うチームのポケモンが陣取っていたら対戦してそのジムを自分のチームの拠点にするという遊びがあります。

ジムにいる他チームのポケモンと対戦するにはそのジムの近くに立ち止まってバトルを行わなければなりません。いい大人が路上でゲームに夢中になっているのはちょっと恥ずかしい…というのは私の主観なのでまあどうでもいいのですが。

人の往来のある公共の場所で周囲に注意を払わずゲームを行うのは危険です。

たとえば容易に想像できるのはスリ、置き引き。日本ではそういったことは少ないと信じたいところですが、海外の治安の悪い都市部などでも行われているゲームですから、そういった場所であることも考慮してこの危険性は看過されるべきではないと思います。

5.ジムにいるポケモンが強すぎて低レベルプレイヤーには太刀打ちできない

ジムにいるポケモンは他のプレイヤーと対戦して勝ってきてる強者なので、低レベルプレイヤーには到底太刀打ちができません。ということは、低レベルプレイヤーは上で説明したゲームの4つの遊びのうちの1つ、大目的を失うということになります。

また相手が強すぎるのがわかったら、 育てても追いつかないなーという感じになって3つめの遊びの捕まえたポケモンを育てるという遊びも特に意味が見出せなくなります。

 

つまり新しいプレイヤーが入ってきて最初は楽しくやっていても、

ジムにいるやつ強すぎ → 育てても意味無いじゃん → うちの近くだと同じのしか出ないなー → 捕まえたいやついないのにポケストップだけ寄ってもなあ → やめる

というやめるまでの道筋が容易に見えます。

 

東京とかに住んでいて、電車で簡単に色々なところに出かけて行って色々なポケモンを集められる人ならジムでのバトルをあまりやらなかったとしてもそれなりに楽しめるかもしれませんが、そうではない人にはとてもモチベーションが続かないでしょう。

 

子を持つ親としてポケモンGoに思うこと

元ゲームプランナーとしての感想はまあ端的に行ってしまえばなんだこのひどい仕様はって感じなんですが、まあパイも大きいし一部のヘビーユーザーの課金だけで商売的には全然成り立つとは思うんですよ。

ポケモンじゃない普通のゲームとかだったら別にこの微妙な仕様でも利益がちゃんと出るならいいんです。

でも子を持つ親としてはこのゲームのルールをポケモンではやってほしくなかった。

 

なぜかというと、ポケモンは初代の発売から20年経ち最初の頃にプレイした人たちがもう20代30代になっていてポケモンGoは子供時代にポケモンを遊んだ世代がおそらくメインターゲットになっているとはいえ、今の子どもたちも遊ぶゲームなんです。

 

実は9月に発売されるポケモンGoプラスというポケモンGo専用デバイスを使うと上で指摘した5つの問題点のうち1つは解消されます。

というのは、ポケモンGoプラスを使うとポケストップでアイテムを拾ったりやポケモンを捕まえるときにゲーム画面を見る必要がなくなるので、ポケモンを捕まえるときに画面を見てゲームをしなければならないというのはなくなるのです。

でも小学生でもスマホを持っている今の時代、すでに多くの小学生がスマホタブレット端末を使ってポケモンGoをやっているのを見ました。

子どもはゲームをはじめてしまうと大人よりもすごい集中力で画面に熱中してしまいます。

専用デバイスで歩行中の危険性を回避するような仕様を入れるなら、最初からちゃんとスマホ版でも子どもの歩行中のゲームプレイの危険性について考慮した仕様にして欲しかったです。

また専用デバイスでもジムでのバトルはその場でやるというのは今の段階で発表されている商品内容を見る限りでは変わらないようです。

この問題の大人の場合の被害はスリとか置き引きが主だと思いますが、子どもだと最悪の場合連れ去りとかに合うようなスキを作ってしまいます。

子どもではありませんが先日女性が無理やり連れ込まれそうになったと連れ去り未遂事件もあったようです。

参考:「ポケモンGO」で連れ去り未遂 | NNNニュース

子どもも遊ぶゲームだからこそ、プレイ中のプレイヤーの安全性についてはもっと真剣に考えて欲しかったと思います。

 

またもう一つ気になったのは、上で指摘した1と2の問題点、ポケストップやポケモンの配置の地域差を超えてポケモンを集めるためには電車や車が必要、つまり大人の手やお金が必要な移動手段を使わないとポケモンの全種類コンプリートが達成できないということです。

完全に大人向けのタイトルなら別にそれでもいいですよ。

でにこれじゃあ子どもは全然楽しめないですよね?

ポケモンという本来は子ども向けのタイトルなのだからこそ、子どもが全部のポケモンを集めることを目指して楽しめるゲームにしてほしかった。

 

ポケモンGoだと友だちと一緒に遊ぶ楽しさもなくなっちゃってますしね。

 

そんなわけで、ポケモンという世界的にも超有名で影響力のあるタイトルだからこそ、もうちょっと色々考えて欲しかったなあと残念な気持ちになった次第です。

おわり。